top of page
執筆者の写真慧 務川

9/25 一般質詳細疑録 稲作の担い手確保について

◆9番(務川慧議員) 自由民主党相模原市議団の一員として、通告に従い一般質問を行います。

 初めに、相模原の稲作の担い手確保について伺います。本市の農業では、大豆、ブドウ、キウイなどの御当地ブランド化、高付加価値化や有機栽培等が推進されていますが、稲作については力を入れている様子はあまり見られません。しかし、相模原市も立派な米の産地です。新戸、磯部、当麻、田名、大島で主に作られています。令和6年3月の定例会議で私が論じましたように、市内小中学校の給食で必要な米の量に匹敵する385トンものお米を毎年生産しています。我々、日本人にとって、米は特別な作物であると思っています。米はおいしいです。日本人の元気の源だと、それは間違いないと思います。そして、日本の食料自給率を何とか下支えしてくれているのは米です。稲作こそ地産地消の代表作物として力を入れるべきであって、これは決して軽視すべきではないと思っています。しかしながら、地元の稲作農家の皆さんはおっしゃいます。私たちももってあと5年だと。このまま無策でいれば、相模原の田んぼは荒れ放題になるよということを口々におっしゃっています。稲作の今後を真剣に考えなければ、市内に80町歩ある田んぼがこれまでつくってきた美しい景観はもとより、地産地消、子供の食育の基盤が大きく損なわれます。では、なぜ後継者が出てこないのか。多くの関係者の方と対話しました。得られた結論はシンプルで、あまりにももうからないということです。野菜や果物と比べて単価が安過ぎるので、稲作では生計は立てられません。

 そこで伺います。さがみはら都市農業振興ビジョン2025で定めた新規就農者の目標達成状況と、そのうち稲作農家となった新規就農者は何名いたかを、まずお伺いいたします。また、稲作の事業承継や新規参入者の確保について、市の課題認識を伺います。

 次に、地域計画の策定についてです。地域計画とは何だろうということですが、農業経営基盤強化促進法に基づいたものでして、農地の集約化と人の確保を図るため、地域の将来の農業の在り方と10年後に目指すべき農地利用の姿を示す目標地図を定めるものでございます。農業の担い手確保に向けて、今、一番重要なのは、この地域計画をどれだけ質を高くつくれるかということだと考えています。3月の定例会議では、本市では令和7年3月までに地域計画を策定するとの答弁を頂きました。そこで、策定に向けた進捗状況、今後の取組について伺います。

 次に、生産効率引上げについてでございます。この地域計画に基づいて、今後、集約化、生産効率の抜本的改善を目指すことになります。集約化の具体的施策として、土地改良も選択肢と考えます。将来的には金原地区以外、例えば新磯地区でも稲作の土地改良を実施すべきと考えます。見解を伺います。

 また、生産効率引上げに向けては、デジタル化支援も必要です。農機購入や生産調整場といった投資に対する助成をよく求められるんですけれども、市は独自の支援を今持っております。他方で、機械は、こういった生産調整場というのは、農業協同組合からのリースですとか、それから事業承継したときに農家さんから譲り受けるとか、そういった地域ぐるみのサポートもできるものです。しかし、若手の就農者さんから話を聞いたんですけれども、クラウドソフトウエアみたいなデジタル化製品を稲作に導入するニーズがこれから高まってくるということです。スマホ、パソコンで地図を利用しながら、自身が持っている田んぼを全部一元で管理できてしまうと。作業の進捗状況や日誌の作成、田んぼごとでどんな農薬を使って、どんな品種を使っているかとか、費用が幾らかかるかというのも、それぞれデータベース化できますから、作物の品質制御とか生産性の向上が容易になる製品なんですね。こうしたクラウドソフトウエア導入に対する市の今後の支援の考え方をお伺いします。

 最後に、米の価格の引上げについてです。稲作では生計が立てられないのは、米の単価が安いからです。食料・農業・農村基本法は、5月に法改正を受けまして、食料安全保障の確保の基本理念と施策を新たに定めましたが、ここでは食料の合理的な価格形成については、持続可能な供給に要する合理的な経費が考慮されるべしと。そして、国は食料の価格の形成に当たり、食料システムの関係者による食料の持続的な供給の必要性に対する理解の増進及びこれらの合理的な費用の明確化の促進をするという条文ができました。つまり、持続可能にお米を供給するためにかかった費用については、米の価格に適切に上乗せすべきということを法が要請することになったということです。ですから、本市も今後の米の価格形成については理解を深めていく必要がございます。そこで、まず、本市の稲作に当てはめて考えた場合、条文にあった食料システムの関係者とは誰であるかを伺います。

 次に、米の出荷価格の引上げについて、本市では現状、どのような動きがあるか伺います。

 一方で、米価格引上げによって学校給食で使用するお米の価格も上がりますから、そのときに生じる課題についても伺います。

 稲作の担い手確保という今回の主題に関して、私は所得向上を第一に考えるべきと思っています。そのために、手段として生産性の引上げ、米の価格引上げは欠かせません。以上の問題意識を持って、1問目といたします。

 

○古内明議長 市長。

 

◎本村賢太郎市長 務川議員からの御質問にお答えします。

 初めに、新規就農者についてでございますが、さがみはら都市農業振興ビジョン2025において目標とする150名に対し、昨年度末時点で130名、稲作で就農した方は6名です。稲作で経営基盤を確立するためには、大規模な農地の確保が必要なこと、作業効率を上げるためには大型の農業用機械を導入する必要があることなど、新規就農時の課題があるものと認識しています。

 次に、地域計画についてでございますが、本年4月に地域の農業関係者等と協議の場を設け、策定の方針やスケジュールを決定いたしました。現在、認定農業者等へ経営拡大などの意向調査を進めるとともに、市農業委員会において目標地図の素案を作成しており、今後、2回目の協議の場を開催し、御意見を頂いた上で、来年3月末までに地域計画を策定してまいります。

 次に、土地改良事業についてでございます。事業の目的である農地の大規模化や集約化は、生産性の向上を図る上で有効ですが、担い手の確保が大きな課題であると認識しています。今後、策定する地域計画などを通じて将来の担い手を確保しながら、農業振興を図る有効な手法の選択肢の一つとして、地域の農業関係者の皆様と共に検討してまいります。

 次に、農作業におけるデジタル化への支援についてでございます。今後、地域計画の実現に向けた取組により、農地の大規模化、集約化が進むことが想定され、スマート農業技術などのデジタル化による圃場管理等のニーズが一層高まるものと考えています。このことから、農業者の意向を伺いながら、国や県の動向も注視しつつ、効率化へ向けた支援について検討してまいります。

 次に、本市における食料システムについてでございますが、稲作農家、農業協同組合、一般消費者等に加え、市内産米を一定割合で学校給食に使用していることを踏まえると、食材を学校等に供給している団体、神奈川県学校給食会なども関係者に含まれるものと捉えています。

 次に、米の出荷価格についてでございますが、市内で生産されている銘柄の一つである、はるみ1等米の場合、物価高騰が続いていることもあり、昨年度と比較して、全農かながわが60キログラム当たりの概算金を300円引き上げています。また、市農協が学校給食出荷奨励金として、確約契約分に対して60キログラム当たり3,000円の奨励金を契約農家に支出しており、実質的に出荷価格に上乗せされています。

 

○古内明議長 教育長。

 

◎鈴木英之教育長 学校給食における米の価格に関する御質問について、教育委員会からお答えいたします。

 米の価格高騰は学校給食の食材費に影響を及ぼすことから、保護者が負担している学校給食費の中で、おかずなどの副食に充てる費用に不足が生じないよう対応していくことが課題であると認識しています。

 以上でございます。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 再質問でございます。

 稲作で就農した方の6名のうち、40歳代以下の就農者は何名であったか、地区別に伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 就農時に40歳代以下の方は、南区新戸で1名、南区当麻で1名、緑区青根で1名の合計3名です。

 以上です。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) ぜひ、数少ない若手はこれからも大事にしていただきたいと思います。

 市長から頂いた答弁では、稲作の担い手確保には大規模な農地確保と大型機械の導入が必要だという課題が示されました。しかし、私は1問目で申し上げたように、所得が見込めない限り、稲作に就く若者は現れないと思っています。所得向上をまず最初の課題として認識しなければ、稲作の新規就農者数が改善することはないと考えています。その認識に相違はないか伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 担い手を確保するに当たっては、農地の集積や農業用機械の導入により経営の効率化を進めて、農業所得の向上を図る必要があると認識しています。

 以上です。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 農業所得という言葉を頂けて安心しました。

 稲作による農業所得について、ここから考えていきたいと思います。市内の現状と目指すべき水準が幾らであるか、市の見解を伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 市内で稲作に取り組む農業者の農業所得は把握しておりませんが、稲作は露地野菜等に比べると、面積当たりの農業所得は著しく低いものと承知しています。また、目指すべき農業所得の水準ですが、相模原市農業経営基盤の強化の促進に関する基本構想では、農業経営開始から5年後に農業で生活が成り立つ年間農業所得として、主たる農業従事者1人当たり250万円程度を目標としています。

 以上です。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 経営開始から5年後に250万円程度ということですが、まず、ここを見直すべきと考えます。5年後、10年後、荒廃するかもしれない地域を守って、子供の食育にも貢献していただく人材に対して、割に合う所得とは言い難いと思います。例えば基本構想の目標を1,000万円とするなど、大胆な目標設定変更が必要ではないでしょうか。でなければ、意欲があって能力もある若者は稲作にチャレンジできません。見解を伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 国の農業経営基盤強化促進法の基本要綱では、地方公共団体が策定する基本構想の目標所得について、農業経営で生計が成り立つ水準とするとともに、新規就農者にとって現実性のある目標とすることが重要とされていることから、目標所得の変更については、国の基本要綱を踏まえつつ、必要に応じ検討してまいります。

 以上です。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 農業経営で生計が成り立つ水準というのがありましたけど、それが果たして250万円なのかどうか、改めて再検証をお願いします。

 そして、本市の稲作でどれほどの農業所得が理論上得られるのかということを考えるのが重要です。まず、250万円の農業所得というのを稲作で得るために何ヘクタールの作付面積が必要か見解を伺います。その上で、仮に1,000万円の農業所得を得るには何ヘクタールの作付面積が必要か伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 神奈川県が農業者の経営計画の策定等に活用することを目的に策定しました作物別・作型別経済性標準指標というものがございます。これによりますと、水稲栽培の10アール当たりの農業所得は2万4,712円とされておりますことから、これを基に計算しますと、稲作で250万円の農業所得を得るためには、約10ヘクタールを耕作する必要があります。また、同様に1,000万円の農業所得を得るためには、約40ヘクタールを耕作する必要があります。

 以上です。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 目測ですけれども、新磯では約40ヘクタール、ちょうど40ヘクタールあるんですね。当麻は20ヘクタール、田名で20ヘクタール、大島で20ヘクタールあります。頂いた答弁に基づけば、非常に単純化したモデルですけれども、新磯地区で目指せる農業所得は1,000万円で、当麻、田名、大島では500万円となります。こうした具体的なイメージというのは、まず、議論の足がかりとして非常に重要だと思っています。市内の稲作地帯を今後10年、誰が担うかという計画が先ほど申し上げた地域計画でした。この計画策定の過程で設ける協議の場では、誰が何ヘクタールを担った上で、どれほどの農業所得を得るべきなのか、そういった想定をしながら、具体的な将来像について合意を図るべきと考えます。見解を伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 地域計画では、地域における農業の将来の在り方を明確化する必要があります。地域計画は策定後も必要に応じて更新してまいりますので、その中で将来的な農業経営に係るモデルケースをお示ししながら協議を進めてまいります。

 以上です。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) ぜひお願いします。

 1問目の答弁で、地域計画、そして目標地図の作成に向け、意向調査を現在行っているとありました。意向調査の対象者と調査内容について、詳細を伺います。また、認定農業者でなくても、既に10ヘクタールほどの面積を担って稲作している農家さんがいます。調査対象となっているのか伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 本年度の調査につきましては、認定農業者及び認定新規就農者を対象に、今後の農業経営について、営農規模の拡大や縮小の意向を伺うとともに、地域計画において、地域内の農業を担う者として位置づけをすることへの希望の有無を調査しています。認定農業者、認定新規就農者以外の農業者については、来年度以降の更新時に対象とさせていただきまして調査を行う予定でございます。

 以上です。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) ぜひ将来の担い手を意向調査でも見いだしていただければと思います。ただ、認定農業者でない方はまだ調査対象になっていないということで、そうすると、年度末に公告される地域計画というのは、必ずしも主たる耕作者全ての意向を反映した状態ではないというようにも思います。耕作面積の多い農業者については、認定農業者でなくとも、来年度、確実に意向調査の対象にしていただきたいと思っております。

 そして、地域計画の策定に向けた第2回目の協議の場はいつ頃を予定しており、また、誰をどうやって呼ぶのか伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 2回目の協議の場は、10月中旬を予定しております。協議の場には、農業者、農業委員、農地中間管理機構、農業協同組合、土地改良区、地域計画区域の関係者などの参加を求めて行う予定としております。また、参加の呼びかけにつきましては、市ホームページへ掲載するとともに、農業協同組合と連携を図りながら、市内農業者や関係者が広く参加いただけるよう周知を図ってまいります。

 以上です。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 本市の地域計画といっても、地区ごとに将来の在り方は異なると考えます。今回は稲作を主体に扱っていますけれども、野菜や果物の生産が多い地域では、そちらをメインとして扱うべきと思います。よって、協議の場は地区ごと、できれば世代ごとに設けるべきではないかと思いますが、見解を伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 本年度につきましては、地域計画の策定に向け、2つの地区に分けて協議の場を開催いたしますが、来年度以降につきましては、農業者や関係者の御意見を伺いながら、協議の場の開催方法等を検討してまいります。

 以上です。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) ぜひそれぞれの地区に即した協議を進めていただければと思っています。

 以上のやり取りから、今年度末の地域計画は毎年度ごとにブラッシュアップする余地がまだまだあると理解いたしました。このことは、私も地域の関係者に情報共有を図ってまいります。誰が何町歩、何ヘクタールの稲作を将来担って、農業所得をどれくらい得ていくべきなのか、地域の現実も踏まえながらも、大胆で具体的な目標を地域計画策定の取組を通じて明確化していただきたいと思っています。次期都市農業振興ビジョンにも、得られた地域計画の成果というのをしっかり反映していただくように要望いたします。

 続いて、土地改良に関する再質問です。農地集約は、田んぼと田んぼを隔てる畦畔の取壊し、統合した田んぼの底面をならす、水路を見直す、権利設定を見直す、そういった様々な作業が必要で、とてもではないけど、農家の自己負担ではできません。このことから、農家の皆さんは、もう農地集約と言った時点で、はなから諦めてしまっています。ただ、今、市長から市内稲作の土地改良について選択肢の一つと御回答いただいて、非常に安心しました。ここでは土地改良をするために必要な手続と要件について伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 土地改良の実施に当たり、まず、必要な要件でございますが、担い手の確保に資する優良農地の形成が見込まれること、農業振興地域内の農用地区域であること、農地所有者等の同意を得られることなどでございます。また、手続につきましては、営農計画や事業計画などについて、国や県と調整し、土地改良区の設立認可申請などが必要となります。

 以上です。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 土地改良する場合の費用と負担の在り方についても伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 土地改良する場合の費用につきましては、その地区に必要な土地改良の内容等を決定しなければ算出することができないことから、耕作状況の確認や農業者の意見を聞きながら、事業内容を検討し、算出することとなります。なお、負担割合でございますが、市内の金原地区を例に申し上げますと、その割合につきましては、国が55%、県が27.5%、市と地権者が合わせて17.5%となっております。

 以上でございます。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 今、御回答いただいたような段取りで進めれば、理論的には土地改良というのは実施可能で、決してはなから無理だと諦める必要はないんですね。これはぜひ地元の農家の皆さんに知っていただきたいので、地域計画策定の協議の場において、土地改良についても取り上げていただくようお願いいたします。

 次に、市内稲作の食料システムは誰が関係しているかについて、市長からの答弁では、県学校給食会なども関係しているということでありました。その学校給食会という中に市内学校、生徒、保護者も含まれているという認識に相違ないか伺います。

 

○古内明議長 学校給食・規模適正化担当部長。

 

◎有本秀美学校給食・規模適正化担当部長 食料システムの関係者につきましては、市立の小中学校、義務教育学校のほか、児童生徒、保護者も含まれると認識しております。

 以上でございます。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 米の買取り価格の動向については先ほど答弁いただいたことなんですが、今年の市の新米に対する農協の買取り金額は、はるみ2等米で60キログラム当たり約1万8,000円になるという計算になります。これは近年の全国的な相場の1万5,000円に対して20%上回っていますから、肥料高騰にあえぐ農家さんからすれば、比較的よい相場と言えそうです。

 他方、米の価格が上がれば、学校給食に当然課題が生じます。先ほど教育長から頂いた答弁を、もう少し具体的に御説明いただけないでしょうか。また、米を含めた物価高騰が続く中で、今後どのように対応していくのか伺います。

 

○古内明議長 学校給食・規模適正化担当部長。

 

◎有本秀美学校給食・規模適正化担当部長 学校給食の食材費につきましては、給食費として、小学校が1か月4,600円、センター方式の中学校が5,300円、デリバリー方式が1食330円を保護者に御負担いただいております。神奈川県学校給食会から購入するお米の価格が高騰しますと、おかずなどの副食に充てる費用が少なくなるため、限られた給食費の中で必要な栄養バランス等を確保することが課題となっています。また、お米に限らず、物価高騰への対応に向け、現在、給食費の改定等について検討を行っています。

 以上でございます。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 米の価格引上げで給食の栄養価が下がってしまっては元も子もないわけですね。だから、当然、給食費を上げていかなきゃいけないということなんですけれども、保護者に対して、材料費上げの転嫁への理解をしていただく、理解の増進も大事だと思っています。理解増進に向けてどのように取り組むのか伺います。

 

○古内明議長 学校給食・規模適正化担当部長。

 

◎有本秀美学校給食・規模適正化担当部長 現行の給食費を改定する場合には、条例で定める上限額を改定した上で、保護者に対しまして十分な周知期間を設け、その必要性を説明していくものと考えています。

 以上でございます。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 一方で、学校給食の無償化のように保護者負担をなくすべきなんだという議論もあります。無償化の下では、食料システム上の価格転嫁も最終的には全部、行政が引き受ける構造になりますから、値上げの合意形成というのは図られやすいと。そういう観点で、農業振興のためにも、学校給食の無償化というのは非常に有用な政策だと考えます。市は無償化を早期に実施する予定はないか、実施に向けた課題について改めて伺います。

 

○古内明議長 学校給食・規模適正化担当部長。

 

◎有本秀美学校給食・規模適正化担当部長 給食費の無償化を本市独自で実施するには、財源の確保が課題と認識しており、現時点では実施する予定はございません。

 以上でございます。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 自治体の学校給食無償化のような自治体独自の子育て、教育支援の存在というのは、子供の生まれ育った自治体によって受けられるサービスにそもそも格差が生じてしまうといった負の側面も持ち合わせています。だから、子育て教育支援策というのは、市の独自の政策じゃなくて、国が国策として進めるべきという声もありまして、現に国政与党の中ではそういった動きも見られています。ですから、学校給食の無償化について、市独自で実施する見込みがないという回答についても、私は一定程度理解いたします。他方で、やはり米の値上げはしなきゃいけないんです。そんな中で、一旦、価格上昇分の給食費の負担というのは、暫定的でも市財政によって負担軽減できないか、そういった手段はないか伺います。

 

○古内明議長 学校給食・規模適正化担当部長。

 

◎有本秀美学校給食・規模適正化担当部長 無償化以外の保護者負担の軽減につきましては、給食費の増額分に対する公費による支援などが考えられます。

 以上でございます。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 私は国が全国学校給食の無償化にかじを切るのはそう遠くない将来あると思っています。当面の間は、食材費高騰による負担を軽減する措置を、市独自としてぜひ多く実施していただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 農業振興ビジョンの話にちょっと戻るんですけど、誰が負担するのかという価格形成の在り方の重要性についてはまだ取り上げられていないんですね。次期ビジョンでは取り上げるべきと考えます。見解を伺います。

 

○古内明議長 経済担当部長。

 

◎高野弘明経済担当部長 食料・農業・農村基本法の改正において、食料の合理的な価格の形成についての規定が新たに追加されましたことから、この基本法や今後国が策定する食料・農業・農村基本計画、こういったものを踏まえた次期ビジョンの策定に取り組んでまいりたいと思います。

 以上でございます。

 

○古内明議長 務川議員。

 

◆9番(務川慧議員) 最後に要望です。以上で論じました所得水準とはどうあるべきか、そして農地の集約化の進め方、そして価格形成の在り方、それぞれを熟慮の上、持続可能な食料システムを構築して、本市ではもう無理だと言われている米づくりの伝統を絶対に守っていただきたいと思って、強く要望いたします。市内の子供は自分たちで養う、これもシビックプライドだと思っていますので、ぜひその点の施策の理解、よろしくお願いいたします。

閲覧数:4回0件のコメント

Comments


bottom of page