最近よく目にする、耳にする「高齢者優遇批判」や「世代間格差批判」。
その原因を「シルバー民主主義」に求める声も多いですね。
本当に額面での世代間格差があるかどうか、
政策資源の高齢者への配分比率が高いのかどうか、
ここで安易に断定することはしません。
ここでは実際に政治活動している者として、「シルバー民主主義」とその“対抗手段”を論じてみようと思います。
「シルバー民主主義」については、言いたいことは大体こんな感じです。
①今の政治がシルバー民主主義になっているのは間違いない
②その原因は単なる人口構成だけではない。
③高齢者の方が若者よりも
・立候補者の相談相手に親身になってくれる、
・政治活動を続けるにあたって手足を動かして協力してくれる
・「票田」となるような団体・サークルを組織していたり長であったりすることが多い
ため、政治家/立候補者は高齢者に対して心情的に好感を持ちやすかったり、頼りにする傾向にある。
結果として高齢者の声に耳を傾けやすくなるという、より現実的な原因がある。
④上記のような立場に高齢者がなれるのは、余暇が多いことだけではない。
生きている時間が長い分だけ、人間関係構築に長けていたり、交友関係が広いのだ。
だから年長者が政治的に影響力が強くなるのは至極自然なことである。
⑤このため「シルバー民主主義」というのは世の常であって、批判しても仕方がないことだ。
じいちゃん、ばあちゃんは、すごい。
敬意を払って、仲よくしよう。
世代間でいがみ合ってもいいことない。
とはいえ、
若者の声が少しでも政治に届きやすくしたり、若者優位な政策が採用されやすくするにはどうしたらいいか。
これはもう若者が(投票だけでなくて)政治にもう少し関わるほかありません。
政治に関わる手段や機会は「投票」だけではないですね。
ひとつの手段は、先に書いたように、
政治家/候補者と持ちつ持たれつの関係をつくること。
ただし、この方法はかなりディープなもので、若者みんなができることではないと思います。
それよりももっと大事な手段があります。
地域の活動に参加すること。
サラリーマンなら労働組合に積極的に参加すること
経営者なら事業組合に参加すること。
そのほかサークルを作るとか、要するに徒党を組んで団体活動すること。
高齢者の方は「団体」活動を介して(意識的にでも知らず知らずのうちにでも)声を政治家に伝えている機会が多いです。
自治会、老人会、商店会、社会福祉協議会、防犯・防災協議会などなど。
そうした団体の催し、お祭り、総会などに国会議員だろうが、地方議員だろうが顔を出しにあいさつに来ますから。これが高齢者の声を政治に通すプロセスになっている。
団体を通じて声を通すというのは古今東西、人間の常套手段。
若者の声を通したいのならば、若者も団体に参加したり、団体を作ればいい。
その団体が政治家にとって一目置く団体(票田になるという意味でもあるし、政策決定の利害調整においてメインプレイヤーとなる存在であるという意味でもある)だと、なおさらよい。
若者団体の代表例は青年会議所(JC)、商工会青年部もそうですが、
こども会や保護者会、PTAの影響力も絶大。
その他、IT事業者などの組合組織を新たに作れば、年配者がおらず、社会的な意義が高いという性質も味方にして、有力な団体になれるかもしれない。あとはドローンなどの先端技術系の事業者組合も。
兎に角、若者も徒党を組むことを臆さず、仲間と何かしらの活動をすること。
これが「若者の声を政治に届ける」ための必要なことだと思っています。
しかし、若者の団体活動自治会参加率もPTA組織率も低下の一途をたどっています。
(インターネットでのバーチャルなつながりは寧ろ強固なようだが、ネット上のつながりと政治とは相性が良くない。その点は別の機会に論じたい)
多くの世帯は男女とも、勤め人として働いているし、子育てもしている。それが我々若者世代。やむを得ない面もあります。
かといって、時代のせいにしても何も変わらない。
先に述べたように、投票日当日の行動以外にも政治に関与しなければ声は通らない。
高齢者に文句を言っているだけでは、私たちはマイノリティなまま。
高齢者は戦争を体験した世代でもある。
戦後焼野原で貧しかった時代を経験した世代でもある。
今より地域や会社でのしがらみは強く、我慢を強いられた世代でもある。
私たちの先輩方は先輩方で、歯を食いしばりながら、いやいやでも他者と関わり、人間関係を築いたようである。
だから高齢者は強い。
我々も、たまには無理してでも
地域活動に顔を出してみたり、
仲間内でサークル活動を始めてみたり、
その延長で間接的にでも政治にかかわってみたり、
少しでも多くの人が少しだけでも参加しなければ、
若者の声を誰も届けてくれない。
私たちの世代も自分たちの力で政治の成果を勝ち取りましょう😄
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