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執筆者の写真慧 務川

【公共事業入札制度と賃上げについて】6/25(火)本会議一般質問




本ブログでのご報告が遅くなりましたが、6月28日をもって市議会6月定例会は閉会となりました。

閉会後すぐ、地元の防災委員会への出席、相模川の除草作業参加、ラジオ出演、自民党相模原市南区支部立ち上げ、他地区選挙のお手伝い、緊急の陳情対応、会派で生成AIの勉強会、娘の保育園夏祭りに参加、夜は6日連続で懇親会、、、と怒涛の1週間半を終え、ようやく議会報告を書き上げる時間が取れました。。。


さて、先月25日の本会議では建設業の賃上げと人材確保、デジタル化への取組により、一層市内のインフラ整備を加速させたい!との思いで登壇いたしました。


当記事では前半部分の「入札制度」について、今後どのよな改善を求めるのか、私と市の質疑録(聞き取りしたものを書き起こしました。正確な議事録は後日市議会HPにアップされます)を書き起こします。


ご関心の方はご覧ください。


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自由民主党相模原市議団の一員として通告に従い、一般質問を行います。

 

今回もまたインフラ整備の質問になりますが、よろしくお願いします。

 

先ずは初めに、公共事業の入札制度について伺います。

 

本年4月から、建設業においても時間外労働規制が適用されました。

時間外労働規制によって人手不足に拍車がかかりますので、今後は人が寄り付かない低賃金ではなく、働きたいと思える高賃金で人材を確保しなければなりません。ただでさえ、資材高騰により工事経費が掛かっている中、これまでの入札制度で物価高・人件費高に対応するのは限界だとの声が地元企業から上がっております。

資材高騰・建設業の人手不足に対し、本市の公共事業の入札制度におけるこれまでの取組について伺います

 

(市の回答)

市が発注する工事については、契約締結後に経費が増加した場合は、受注者との協議により、契約変更を行うこととしている。また、実勢価格を予定価格に反映するため、資材単価については、毎月見直しを行っている。

 

 公共事業の入札制度について、課題は様々にありますが、地元企業や行政の皆さまとこれまで意見を交わしてきた結果、私は「最低制限価格」と「予定価格」について注目しています。

どちらも市が設定するものですが、この設定価格が低ければ低いほど、受注企業の契約金額は低くなりますから、資材高騰や人手不足に対応するための経費を確保しづらくなります。

まず、最低制限価格制度を設ける意義やそのあり方について、伺います。

 

(市の回答)

最低制限価格は、ダンピング受注を防止することにより、業務の品質を確保するとともに、担い手となる事業者においては、適切な利益や人材の確保等に効果的なものであると認識しており、適切な設定に努めているところです。

 

予定価格についてです。

本年2月、国は「公共事業の予定価格積算における設計労務単価」を全国平均で約6%引き上げることを決定しました。時間外労働規制の中では、人材確保のために高賃金の原資が必要ですから、国は適切な判断をしたと思います。改定した設計労務単価を本市も既に反映させた上で、今年度の公共事業を発注しているか、現状について伺います。

 

(市の回答)

本市では、国の直轄事業と同様に設計労務単価を適切に改定した上で工事を発注しています。

 

国の直轄する公共事業では設計労務単価引き上げだけではなく、予定価格の積算基準を様々に改定しており、

例えば、

①   週休2日制工事を拡大し、その際必要となる人件費や現場管理費の増加分を予定価格に反映する

②   受注企業行う工事書類作成の経費や下請け企業の本社経費などによる増加分を予定価格に反映する

③   従業員の現場への移動時間も考慮して、「歩掛」を見直し、予定価格に反映する。

等が今年度から行われています。

労務単価だけでなく、市もあらゆる積算基準改定に踏み込むべきと考えますが、見解を伺います。

 

(市の回答)

建設業における働き方改革は、重要であることから週休2日制の工事に対応した増額補正などを行うことや国の直轄事業の改定の考え方を踏まえ、積算基準を改定することとしています。

 

 以上、いただいた答弁では、市のこれまでの取組として資材高騰への対応をしっかりと行っていただいているとのことで承知しました。

他方、時間外労働規制の適用下で、人手不足解消する、そのためには高い賃金を提示することが必要ですが、その対応については、課題も多いと思いますので、掘り下げて再質問いたします。

まず、市長も「人材の確保等に効果的なものである」と答弁されました最低制限価格に関して。

公共事業の「工事発注」で設定される最低制限価格は、予定価格と比較して何%の水準に設定されているのか昨年度の実績を伺います。

また、実際の落札金額は最低制限価格とほとんど違いがないのか、全体的な傾向も併せて伺います。

 

(市の回答)

令和5年度における総価契約の工事の最低制限価格の平均は予定価格の92%となっている。

また、単価契約の工事の最低制限価格の平均は予定価格の75%となっている。

次に、実際の落札金額と最低制限価格との差であるが、令和5年度における総価契約の工事の落札価格の平均は予定価格の93%、単価契約の工事の落札価格の平均は予定価格の79%となっており、落札金額と最低制限価格との差は総価契約で1%の差、単価契約で4%の差となっている。

 

総価契約とは、工事の単価も、実施する工程もきまっていて、工事の総額がはじめからわかっている契約です。公共工事のメインは総価契約ですが、その最低制限価格が予定価格の92%ということで、結果として落札金額も93%水準と高いことは承知しました。

他方、単価契約とは、工事の単価は決められるが実施個所数が未定の工事、例えば緊急補修工事などのことですが、最低制限価格75%、それにつられて落札金額も79%と低いようです。

ところで市の令和6年度の入札・契約制度の改正内容に目を通しますと、工事契約ではなくて、「測量・設計等委託」の単価契約については、今年度から最低制限価格を予定価格の80%に引き上げたようです。文書には、「昨今の物価・人件費の高騰等を踏まえ」改正したと書いてあります。

工事の単価契約についても次年度から80%に引き上げてはどうでしょうか、見解を伺います

 

(市の回答)

社会経済情勢や国や他都市の動向などを踏まえ、適正な設定水準について引き続き検討してまいりたいと考えている。

 

昨年度の市の業務委託の中で、総価契約の「地下埋設物調査業務委託」の案件が複数ありました。そのうち2件は、最低制限価格が予定価格の70%と低い水準であることを確認しました。

 総価契約の委託業務についても単価契約と同様80%を下回ることがないよう、制度改正をしてはいかがでしょうか。見解を伺います

 

(市の回答)

社会経済情勢や国や他都市の動向、市内の関連団体等との意見交換などを踏まえ、総合的な観点から適正な設定水準について引き続き検討してまいりたいと考えている。

 

 是非、前向きにご検討いただきたいと思います。より安い契約金額を追及することで、受注企業が人材確保を望めない環境とならないよう、対応をよろしくお願いします。

続きまして、予定価格について再質問します。

 市長から「国の直轄事業の改定の考え方を踏まえ、積算基準を改定する」と答弁いただきましたが、いつ頃を目途に実施予定か伺います。

 

(市の回答)

現在、本年7月1日の「土木工事標準積算基準書」などの改定に向け作業を進めており、改定後、速やかに公共工事の設計価格に反映いたします。

 

承知しました。是非速やかな対応をよろしくお願いします。4月からの時間外労働規制の適用に加えて、今国会では建設業法・公共工事の入札・契約法が改正されました。改正法は、公共工事の受注者が工事の契約金額を原資に、下請け企業も含めた技能労働者へと賃金がしっかりいき渡らせるよう仕掛けるものです。

 

改正法に基づき、今後、「賃金が行き渡る」ために必要な「標準的な労務費」を中央建設業審議会が作成・勧告することになっています。「標準的な労務費」の詳細はまだ明らかではありませんが、時間外労働規制に対応しながら、下請け企業も含めた技能労働者へ賃金が行き渡る基準が示されることで、次年度以降、公共工事の予定価格も引き上がっていくことが想定されます。

 

そうした中、もし令和7年度予算の公共事業関連予算の増加分が十分でなければ、工事発注量を抑えることにならないでしょうか。まちづくり関連投資の拡大を推進する本市においては、適切な予算総枠を確保し、工事発注量を減らすことなく、時間外労働規制や法改正に対応した予定価格の引き上げに対応していくべきと考えますが、市の見解を伺います

 

(市の回答)

予算における物価や労務単価については、予算編成時点において変動分を見込み必要経費を計上します。

今後の予算編成においても、法改正による影響も含め様々な社会情勢の変化を踏まえ事業実施に必要な予算をしっかり確保してまいります。

 

そのためには「防災・減災対策事業債等、財政措置の有利な市債の活用」に留まらず、市債(建設債)を躊躇なく活用すべきと考えますが、見解を伺います

 

(市の回答)

建設事業を着実に進めるために必要な建設債については、財政指標や元利償還金に対する交付税措置の有無当にも留意し、積極的に活用してまいります。

 

入札制度については、市長も重要視されている「競争性・公平性の確保と財政の効率化」について賛成するところです。他方、今後はインフラ整備の担い手育成・確保・賃上げに向け、契約額をしっかりと引き上げていくことと両立させながら入札制度改革に取り組んでいただくようお願いいたします。

 

最後に、入札制度の課題として、地元企業からこんな声が上がっています。

「公園等の年間管理委託業務については、市が発注をかける管理区域が複数ありますが、コロナ禍によって郵便入札が導入されてから、すべての案件が同時に入札、開札されることとなりました。このため、本来は1~2区域落札できれば1企業としては十分なところ、3区域、4区域と落札できてしまうことがある。」

こうした事態では、目下の人手不足により1企業で多数の区域の管理業務に手が回らない恐れもあり、また意図せず他の企業の受注機会を奪ってしまうことにもなりかねません。次年度以降、受注機会の均等が図られるよう、複数の区域について同時入札、同時開札を避ける方策を取り入れるべきと考えますが、見解を伺います

 

公園等の施設管理委託について、多くの事業者に参画いただくため、発注においては、時期や入札日が重複しない方法などについて検討する。

 

是非、よろしくお願いいたします。

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