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執筆者の写真慧 務川

【故郷相武台の社会的課題】




地元相武台の「ふるさと祭」のお手伝いをしてきました。(お手伝いをお許しくださった連合自治会の皆さん、まちづくりセンターの皆さんには改めて感謝申し上げます。)

担当した模擬店だけで240人のお客さん(殆どこどもです)が来てくれたようで、来場者の延べ人数は1000人くらいは超えていたのでは?と思います🤔

市内で最も高齢化率が高いとも言われている相武台ですが、こどもが全くいないわけでもなく、同級生の家族も何組か顔出してくれました😄

私が担当した模擬店は「射的」。

夏祭りと同様、担い手の年齢層は高めでした😅

最近、この「担い手は年配の方」の構図に納得してきている自分がいます。

住民自治の活動の担い手は「現役」引退した高齢者の方、

子育て、日頃の仕事(生産活動)に忙しい若手は自治サービスを享受する側。

 

しばしば「シルバー民主主義」という批判声が若者から上がるように行政サービス自体は何かと「高齢者優位」政策に力点がおかれがち(それにも構造的にやむを得ない要因があり、単に批判すればよいわけではない)ですが、

その代わりに住民自治活動では「若者優位」の状況になっているため、

「お互い様」という視点もあり得るのかなと。

また色々な地元の実態を学んでいく過程で考え方が変わるかもしれませんが。




【相武台地区の社会的課題】

地元相武台の課題は「集合住宅の街」という特色にあると考えています。

地区面積の2/3は高度成長期に建造された集合住宅で構成されています。

(私の祖父も含め)そこへ一斉に転居してきた世帯が現在、一斉に「高齢化」しています。

そんな集合住宅。戸建てと異なって建て替えが容易ではないですね。

40-50年前にハイカラでモダンだった建築物も、今の若者には好まれず、若い世帯が入ってこない欠点があります。

すると、子供が近辺にいないので、子育てコミュニティが形成されにくい地区に。

それで若者世帯はさらに相武台を敬遠することになる。

この構造的背景から市内随一の「超」高齢化が続いています。

この地区の20・30年後の未来を考える時、

「相武台の集合住宅」がどんな有様になっているか、

が最も重要になります。

現在お住いの方々は、「建物の修繕を続ければよい」とお考えの方が大半です。

住民とすれば正しい考え方でしょう。

「RC作りの建物は修繕を続ければ100年持つ」説もありますから「箱の存続」だけを考えれば、問題ないかもしれません。

今の世代にとっては何も問題はありません。

問題は、次の世代にこの集合住宅物件の買い手がつくかということ。

物件価値はバブル頃は1戸3000万円だったけれども、今は1戸500万円の事例も見られます。

価格がそれほど落ちるほど、新しい買い手がいない。

集合住宅の1戸を相続した人も、売れないのであれば賃貸不動産として運用する人が今より一層多くなる。


60-70年前のRC集合住宅を低価格買う

or

賃貸で住む

人が現れることで高い居住率が確保されるかもしれません。



ですがその時果たして、過去のように管理組合や自治会は機能するかどうか。


人口構成の高齢化は解消されるかもしれませんが、今度は治安という面で相武台の街の性質が激変することが予想されます。


相武台のグリーンパーク・相武台団地の両方で育った身として残念ではありますが、

高度経済成長期に開発された(今はタワマンも同じですね)集合住宅には、そうした負の側面を孕んでいます。



今のうちに取っておくべき方策は何でしょうか。

■分譲住宅の相続が発生した時点で、行政が買い取り、相続人が売却しやすい補助制度を新設する

■分譲住宅の賃貸物件運用の要件を厳しくする

■最終的に建造物の解体が必要になった際の費用の積み立てを管理費に

or

固定資産税に

盛り込む


など、行政が強く関与せざるを得ない未来が容易に予想されます。



高度成長期には区分所有法が成立して、集合住宅の1戸所有者の権利が定められました。将来の荒廃など想像す必要もなかった明る時代です。


けれども私たちの世代は後ろ向きなことも処理しなければ、新しい前向きなこと取り組めません。



今後、住宅としての役目をいずれ終えていく建造物をどう適切に管理していくのか考える社会的責任が問われる時代になっています。

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