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執筆者の写真慧 務川

トクヴィル 大都市の存在と直接制民主主義化

トクヴィル「アメリカのデモクラシー」

第1巻(下)第二部第9章

「アメリカには全土に直接間接の影響を及ぼすような大きな首都がない。この点を私は合衆国の共和的諸制度を保つ重要な原因の一つと考える。

都市では人々が謀議を凝らし、集団的興奮に駆られ、また突如として感情的決断に走ることを容易にして妨げえない。都市は全ての住民をメンバーとする大きな議会のようなものである。そこでは民衆が為政者に甚大な影響を及ぼし、しばしば仲介者を介さず自らの手で意思を実現する。

それゆえ、地方を首都に従属させることは、国全体の運命を一部の人民の手に委ねるという不正だけでなく、人民の直接行動にこれを委ねるという多大な危険を冒すものである。

すなわち首都の優越は代議制に重大な打撃を加える。」

この文章はおよそ200年前に書かれたものだが

現代日本の、一地方の民主議会選挙を分析する上でも正鵠を射た指摘だ。

このトクヴィルの指摘は

「一票の格差是正」の誤謬を見事に見抜いている。

都市化、文明化、人口集中化は

選挙結果を左右させるほどの大量の浮動票を生み出す。

浮動票の存在は

「集団的興奮に駆られ、また突如として感情的決断に走る」危険と隣り合わせだ。

何故、私が選挙区内でも敢えて、非都市圏での活動に重きを置くのか。

理由は此処にある。

都市化・文明化=非代議制民主主義化

という不可逆な問題に挑戦するためなのだ。



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