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執筆者の写真慧 務川

大和市文化創造拠点シリウス視察(図書館・複合施設検討のため②)

私も小学校以来利用している図書館相武台分館の未来や、母校もえぎ台小学校跡地活用の将来像を検討するため、図書館・複合施設の先駆的事例である大和市の「文化創造拠点シリウス」に視察にいってきました。


9月定例会での一般質問や活動レポートで申し上げているとおり、

私は

・もえぎ小跡地に相武台分館の図書機能を移転する

・図書機能の他、こどもの居場所やカフェテリアなど全世代がコミュニティスペースとして利用できる複合施設として活用する

ことを目指しています。


そのためのヒント、実現するにあたってヒントとなる様々な工夫が「シリウス」にありました。



視察概要をこのブログにも記録しておきます。


【視察の目的】

相模原市の公共事業再編に伴う複合施設の設置に向け、先進事例である複合施設「文化創造拠点シリウス」を視察し、事業が効果的なものとなるための理念や開発、指定管理者の選考、施設機能の工夫などについて確認をした。


以下では、大和市とのやり取りで、当職が特に注目した事項をまとめた。


<設立までの経緯>

※より詳細な経緯は大和市HPで確認できる

・昭和S56年から平成6年にかけて、大和駅周辺の相鉄線の地下化が行われた。

過去地上にあった相鉄線路線は、現在プロムナード(遊歩道)化されており、その空間を生かした市街地再開発事業の一環でシリウスが設立された。

シリウスの建築にあたっては、プロムナード化に伴って生じた保留床を資金源とした。

・再開発組合には地権者・清水建設・佐藤総合計画(デザイン担当)が含まれ、建物施工は清水建設・佐藤総合計画が担った。


<目指したコンセプト・設計>

・幹線道路沿いの大型商業施設開発により、大和駅周辺の利用者が減った背景から、自宅でもなく職場でもない居場所(サードプレイス)となる複合施設を目指した。

・くつろげる空間を実現するため、館内での飲食をある程度許容する「制約の緩和」を実施した。

・現代的なデザインを重視し、事業計画作成の過程で「佐賀市武雄図書館」、「塩尻市えんぱーく」、「蔦屋家電」などを視察し、施設設計の参考とした。


<施設管理・運営状況>

・指定管理者は公募。当時3団体から応募があり、共同事業体「やまとみらい」 (代表団体:株式会社図書館流通センター)に決定した。他2団体は書店、旅行会社が代表となる団体であった。

・やまとみらいの構成企業は「株式会社図書館流通センター」・「サントリーパブ リシティサービス株式会社」・「株式会社小学館集英社プロダクション」・「株式会社明日香」・「株式会社ボー ネルンド」・「横浜ビルシステム株式会社」で、図書館、こどもの遊び場、青少年育成、生涯学習などのノウハウを持つ企業で構成されている。

・指定管理者選考の際には、コストカット思考は避ける評価基準とした(地権者組合との入念な議論のもと作成した事業計画の実効性を重視した)。

・指定管理者から市に対する評価として「コストカット志向ではない」ことをポジティブに捉えられている。

・大和市の図書館は「やまとみらい」が管理することとなったため、市の図書館運営ノウハウが失われたことは一つの課題。

・来館者が当初想定よりも多くなり、学習スペースや読書スペースの確保が課題となっている(武蔵野プレイスと同様)


<施設内の特徴的な機能>

↑施設の図書スペース全体がブラウン基調の内装となっている。

内装デザイン。施工はすべて再開発組合が行っており、多く人が自然と立ち寄りたくなる洗練されたデザインが集客力を期待させるため、指定管理候補者が多く参入したものと思われる。


・学習ラウンジスペースは施設最上階に設けてあり、見晴らしの良い空間を演出している。学生たちの試験期間中は超満員となる。

↑「漫画リビング」を学生ラウンジスペースに設け、学生同士が「おすすめの漫画」をリクエストしたり、お互いに好きな漫画を語り合う場を作っている。


↑図書スペースには大和市にゆかりのある文化・歴史資料を展示するスペースが設けられている。


・「株式会社明日香」による幼児一時預かり事業や、「ボーネルンド」による子どものプレイルームが設けられている。


↑健康増進のため血圧測定機や体重計、ランニングバイクなどが設けられている。

・施設内にはゴミ箱は設置しておらず、ごみ処理は利用者負担とする。

・武蔵野プレイス同様、音楽スタジオが設けられている。


<カフェテリア導入について>

複合施設にカフェテリアを導入することは、全世代の利用者増を目指す仕掛けとして昨今では必須ともいえる要素となっている。

シリウスではどのような経緯でカフェテリア導入を成功させたのか、聞き取った結果概要を記す。

・1階入り口すぐ右手の「共用部分」にスターバックスへ用地貸付をしている。

・指定管理者の公募条件に指定管理者側がカフェ事業者を市側へ推薦することとしており、やまとみらいがスターバックスを推薦した。

・今後5年ごとの更新において、「共用部分」の改装がある場合、改装費用はテナント企業負担となる。

・カフェと図書館の親和性が高いことを示す事例として、中央林間図書館がある。隣に店舗を構えている「星乃珈琲店」は中央図書館のデザインと外装を合わせてくれており、図書館とカフェが一体的に見えるような仕掛けになっている。

また、「星乃珈琲店」に図書館内の図書を持ち出しても構わないとしている。

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